ジャーナル
【開催報告】2018/2/3 保育施設と幼児の健康を考えるセミナー in 新潟
話し手:村上博文先生+辺見美津男先生
2018年2月3日(土)新潟市の新潟日報社黒崎本社の会議室にて、地域の木材を活用した保育施設と幼児の健康を考えるセミナーを地元新潟市の地域工務店ナレッジライフさまの協力のもと、開催させていただきました。当日は大寒波の影響も心配されましたが天候にも恵まれ、新潟県外の方々も含め約30名の保育関係者や設計事務所、また一般の方々もご参加いただきました。
子どもの五感を働かせる木造施設をつくろう
講師には静岡県の常葉大学保育学部の村上博文先生と福島県の辺見美津男設計室主宰の辺見美津男先生にご講演いただきました。
村上先生からは全国の様々な保育施設を訪問し実測をされてきた中で、乳幼児と保育士が居心地の良い環境を共につくり上げていくことの大切さや、子ども達の五感を刺激する上で乳幼児期に本物の素材に触れることの大切さなどをお話しいただきました。部屋の内部の玩具(おもちゃ)や棚などの置き方で幼児の行動にどのような変化が起きるかを実地調査からを説明されました。村上先生は東京大学在学中に行動学を専攻されていたお立場から、保育施設の室内環境や保育士の「保育の質」から幼児の行動は大きく影響を受けている……と語り、現在の保育施設の運営の在り方に警鐘を鳴らしています。木造施設協議会でも、地域の木材を活用した乳幼児にとって快適・健康な室内環境を提案していこうとあらためて思いを強くしました。
次に福島県において保育施設の設計を数多く手がけられている辺見先生から、保育施設の建築は単なる施設設計ではなく、地域の気候風土の読み込みの重要性と、学校での「命の教育」を通して、地域との連携をはかっていくことが大切であること、そして一般流通の木材を使っていく意義を伝えてくださいました。辺見先生が設計に入る前に必ず実施する施設の職員の方々とのワークショップについては、その後の保育運営について深く関わってくる重要なコミュニケーションである、と。辺見先生は地域の保育施設の設計にかかわる上での方針として、「地域」や「保育」、また「子ども達たちの命」に寄り添ったお考えをお持ちです。
木造施設についての意見交換の場に
最後のフリートーキングや終了後の参加者との意見交換の場では、活発な議論がされていました。下記のような感想をいただきました。
<参加者の主な声>
「今まで参加したセミナーとは内容がまったく違い、勉強になった」「これから施設の計画に入る上で、室内環境と幼児の健康の重要性をしっかりと勉強できたことは大きい」
「子どもの一生を決めてしまう乳幼児期について0ベースで考えるきっかけになった」
主催者である私たち木造施設協議会が想定していた以上に、今回の木造施設と健康を考えるセミナーを保育施設の事業者さま向けに開催できた意義は大きかったと感じました。これからも、2/14(水)栃木県下野市、2/24(土)東京都羽村市にてセミナーを開催していきます。