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【開催報告】2019/2/28 「地域の木造施設と室内環境問題を考える勉強会」in長野県諏訪市
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【開催報告】2019/2/28 「地域の木造施設と室内環境問題を考える勉強会」in長野県諏訪市

「林産県である長野県における木造施設について」

【開催報告】2019/2/28 「地域の木造施設と室内環境問題を考える勉強会」in長野県諏訪市

施設名:諏訪市文化センター(長野県諏訪市)
話し手:三澤文子氏+柿崎秀雄

【開催報告】2019/2/28 「地域の木造施設と室内環境問題を考える勉強会」in長野県諏訪市

2月28日(木)長野県諏訪市において「地域の木造施設と室内環境問題を考える勉強会」を開催させていただきました。

林産県である長野県における木造施設について

当日は長野県内各地より20名の設計事務所、工務店にご参加いただきました。今回は地元の一般社団法人長野県建築士会諏訪支部と一般社団法人長野県建築士事務所協会諏訪支部の後援もいただきながら、多くの地元建築士の方々と、林産県である長野県における木造施設について意見交換をさせていただきました。

記念講演では講師の三澤文子氏(Ms建築設計事務所主宰)から、始めに岐阜県・大阪府・愛知県の地域材を使った木造のロッジや社会福祉施設のお話をいただきました。地域の循環資源である木材を使う事で、山と町をつなぐ事の大切さだけでなく、輸送における二酸化炭素排出削減に繋がるウッドマイルズという視点を持つことの大切さもお話いただきました。また今回の会場となった諏訪市民文化センターから車で40分程の箕輪町の北沢建築の木材加工場については、地域に生きる工務店の木材加工場としてのコンセプトから、それを一般流通材だけで作り上げる構造、地域材の伐採、製材、乾燥、検査、手刻みの流れ等をお話とともに、結果的建物ができた事で社員大工の心意気の象徴となり、また地元地域だけでなく、社会的にも地域の木造施設のあり方を訴えかけるものとなっていた事をお話されました。

次はOMソーラー施設建築担当(兼木造施設協議会事務局)の柿崎秀雄より保育施設、診療所、社会福祉施設等の室内環境と施設の利用者(幼児・患者・高齢者・職員等)の健康問題について報告させていただきました。全国各地の施設に伺い、お話をお聞きする中で、ストレスを感じる職員が増えている事や難聴ぎみになる幼児や職員が増えている事などのお話をお聞きする中で、大学等の研究者からは、室内環境が利用者に与える要因等があるのではと最近言われています。実際に、室内環境として温熱環境、二酸化炭素濃度、臭気等の測定結果等の報告とともに、単純に建物の性能、使用する建材、設備との因果関係だけでなく、自然との応答の少なさ等ライフスタイル等も要因として考えられるのではないだろうかとお話させていただきました。

大きく2つの講演・報告のあとは、フリートーキングとして、ストーブを囲んで講師の三澤文子氏と意見交換を行いました。地元諏訪周辺では、以前は数十あった製材所も今では数社になってしまった事で、木造施設への認知も下がっているので、行政民間含め事業者へもっと木造の良さをアピールしていきたいとの要望に対して、同じ長野県の県南に位置する根羽村の実践事例を、今回飯田市から参加の設計士から報告していただいたり、三澤文子氏からは鹿児島大学の鷹野准教授が地元工務店と共同で取組み木育活動や静岡県における地元常葉大学との連携による保育施設の園長へのセミナーなどの実践事例をお話いただきました。ストーブの暖かさもあり、和やかな雰囲気の中、終了時間を大幅に延長して様々な意見交換ができました。

文責:一社)木造施設協議会事務局

セミナー開催日:2019年2月28日(木)

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