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【開催報告】2019/4/25 木造施設建築・参入セミナーin大阪
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【開催報告】2019/4/25 木造施設建築・参入セミナーin大阪

「設計者×工務店×メーカー」で地域の木造施設を考えよう!

【開催報告】2019/4/25 木造施設建築・参入セミナーin大阪

施設名:会 場:新大阪丸ビル別館(大阪市東淀川区東中島1-18-22 丸ビル別館)
話し手:新建新聞社 三浦祐成氏・木造施設協議会 相羽 健太郎氏・SWING 金山大氏・SWING 小泉宙生氏・コアー建築工房 千原徹氏・木造施設協議会 柿崎秀雄氏

【開催報告】2019/4/25 木造施設建築・参入セミナーin大阪

2019年4月25日(木)、地域循環できる非住宅の木造施設建築について、設計事務所や工務店、メーカーで木造施設の現状と未来を考えるセミナーを開催しました。
協議会メンバーの受注状況や、年々ニーズが高まっている木造施設や店舗、オフィスの木質化リノベーションの事例報告や、施設の事業者や利用者へのメリット・健康への影響などの研究成果を通して未来のトレンドを探りました。

木造非住宅の市場や職人を取り巻く現状

冒頭で登壇をされた新建新聞社代表の三浦祐成氏からは、「地場でつくれるものは地場でつくる」という言葉から、建築業界での木造非住宅や職人をとりまく現状と、これからの社会的な木造への需要や可能性についてお話しいただきました。

SDGs(持続可能な開発目標)が社会に浸透していく中で、人々に喜ばれることを事業に落とし込んでいく必要がある。工務店にとってはそれは木造施設事業であったり、働きがいのある仕事づくりでもある。

SDGs(持続可能な開発目標)が社会に浸透していく中で、人々に喜ばれることを事業に落とし込んでいく必要がある。工務店にとってはそれは木造施設事業であったり、働きがいのある仕事づくりでもある。

木造非住宅でUSP(Unique Selling Proposition)すなわち独自の強みとなる5つの項目を提示していただきました。

木造非住宅でUSP(Unique Selling Proposition)すなわち独自の強みとなる5つの項目を提示していただきました。

一社や一人ではできないことをみんなでやるためのプラットフォーム

続いて協議会代表理事の相羽より木造施設協議会として工務店と設計事務所、メーカー、研究者がいかに連携して地域の人が使う施設をどう建てていくのか、一社や一人ではできないことをみんなで協働・実現をしていこう、と。

木造施設協議会の理念「地域の人が使う施設を、地域の人と材と工夫で建てる」や活動紹介、協議会として取り組んでいることを。

木造施設協議会の理念「地域の人が使う施設を、地域の人と材と工夫で建てる」や活動紹介、協議会として取り組んでいることを。

木造施設建築の現況と未来を考える

「木造施設建築」参入セミナーの後半では、大阪の設計事務所「SWING(株式会社スウィング)」の合同代表である小泉宙生氏と金山大氏、株式会社コアー建築工房の千原徹氏からのプレゼンテーションが行われました。

左から金山氏、小泉氏。

左から金山氏、小泉氏。

大阪を拠点として木造住宅や店舗、施設の設計と幅広く活躍されている設計事務所「SWING」さん。docomoショップやシェアハウス、ホテルの事例を紹介しながら、オーナーや事業者さんへの提案から建築へどのように取り組まれているのか、施工に携わるメンバーや素材をつくる製材業者さんなどつくり手側での強い連携を取られていることを伝えてくださいました。
それぞれの空間のデザインや完成度の高さは写真で拝見していても伝わってくるのですが、シェアハウスの入居率が高まるための場のブランディングや、ホテルへの海外の宿泊客が求めている部分をどう捉えているのかなども具体的にお話ししてくださり、SWINGさんの強みがあらためて理解できました。

docomoショップの計画から提案、施工管理のプロセスを丁寧にご紹介いただきました。

docomoショップの計画から提案、施工管理のプロセスを丁寧にご紹介いただきました。

事業者に向けたプレゼンテーションでは、具体邸なイメージが伝わるCGパースや模型をつくって提案。店舗であることがきちんと伝わるよう、サインの大きさや取り付け位置も現場で確認をした上で提案に反映しているそう。

事業者に向けたプレゼンテーションでは、具体邸なイメージが伝わるCGパースや模型をつくって提案。店舗であることがきちんと伝わるよう、サインの大きさや取り付け位置も現場で確認をした上で提案に反映しているそう。

小泉氏から素材についてのお話しも。木材業者の方との取引の際に、乾燥の仕方や管理方法をきちんと確認し、木をどこにつかうのかを丁寧に計画されているそうです。

小泉氏から素材についてのお話しも。木材業者の方との取引の際に、乾燥の仕方や管理方法をきちんと確認し、木をどこにつかうのかを丁寧に計画されているそうです。

大阪のシェアハウス「ZEZE OSAKA」。狭小地での建築プロジェクトでありながら、設計や空間デザインを工夫し、豊かな暮らしの場を実現。高い入居率を実現しています。写真/冨田英次(出典:SWING )

大阪のシェアハウス「ZEZE OSAKA」。狭小地での建築プロジェクトでありながら、設計や空間デザインを工夫し、豊かな暮らしの場を実現。高い入居率を実現しています。

大工さんとの連携を一番に考えたローテーション

コアー建築工房の千原徹氏からは、同社が擁する24名の大工さんとの連携を一番に考えて、全ての仕事のローテーションを構築していることや、大工がつくる木造住宅や木造施設の建築をどうつくりあげているのか、事業比率を含めて紹介くださり、関西の地域工務店を代表する同社の日々の実践をお聞きしました。

コアー建築工房の千原氏

コアー建築工房の千原氏

セミナーの後半では、新建新聞社の三浦祐成氏のファシリテーションで登壇者のディスカッションや参加者からの質疑の時間となり、さらにつっこんで木造の非住宅分野の現況と、未来の可能性を考える時間となりました。

木造の非住宅事業として、木造施設建築に実際に取り組む上で課題となってくる「受注」や「設計」、「メンテナンス」の方法や、本業である住宅事業とのバランスの取り方など、各者での実践や工夫、知見が集まる貴重な機会ともなりました。
ご参加をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

文責:木造施設協議会事務局

木造施設協議会について