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大規模木造倉庫兼事務所 視察報告|愛知県豊川市・イトコー
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大規模木造倉庫兼事務所 視察報告|愛知県豊川市・イトコー

大規模木造倉庫兼事務所 視察報告|愛知県豊川市・イトコー

施設名:イトコー(愛知県豊川市)
話し手:木造施設協議会 事務局長 柿崎秀雄

大規模木造倉庫兼事務所 視察報告|愛知県豊川市・イトコー

2024年9月に開催された、愛知県の正会員「イトコー」が主催しての木造倉庫兼事務所の見学会の様子をご紹介します。

ATA構法の採用により短工期で大スパン・無柱の木造倉庫空間を実現

2024年9月、愛知県豊川市御油町にて、(株)イトコー主催による木造倉庫兼事務所の見学会が開催され、木造施設協議会の事務局も現地にて参加してきました。

この木造施設は住生活総合産業の東三河地域の拠点となる新しい施設です。東名のインターチェンジにも近く国道一号線沿いであり、今後新規営業活動をする上で、建設コスト、環境、SDGs等も考慮の上、鉄骨造ではなく、木造による倉庫を選択されました。

敷地面積1613.70㎡に対して、延床637.12㎡(1階525.00㎡+2階112.12㎡)、建物用途は倉庫兼事務所です。
倉庫内では運搬・組立作業などもある事から大スパン・無柱を実現するために、ATA構法が採用されています。一般に流通されている集成材(120㎜✕450㎜✕6,000㎜)と特殊な金物によるハイブリッド張弦梁トラスを構成し、18mの無柱の大スパンを実現しています。

また建物自体の材積が軽量なため、基礎もとても簡便であり、また建て方も柱を立ち上げたのちに、事前に組み上げた屋根のトラスをクレーンで上げていく事で、上棟までに1週間ほどの短工期との事でした。

多様な用途の木造施設への展開を見据えて

当日は、地元信用金庫の理事長をはじめ、事業主、工務店、設計事務所、メーカー、商社など幅広い方々が見学されていました。

参加された方にお話をお聞きすると、「鉄骨造が当たり前と思っていたが、木造でも十分にできると感じた」「地元の工務店でも特殊な技能がなくても建てられる事がわかった」「SDGsを意識した地元へのPRになると感じた」「倉庫・工場以外にも、保育園の遊戯室、学校の体育館、道の駅、信用金庫、スーパーなど幅広く採用されていると聞いて、様々な事業主へ提案ができそう」「鉄骨と比較しても償却年数が短いのも魅力的」なども今後の木造施設の可能性に対して期待する意見を数多くお聞きしました。

(株)イトコー 木造施設建築についてはこちら
https://itokobuild.jp/wooden/

木造施設協議会について