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【開催報告】2018/3/7 静岡工務店グループで施設見学セミナーを実施
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【開催報告】2018/3/7 静岡工務店グループで施設見学セミナーを実施

木造施設の「現在」を学び、地域連携で気運を高める

【開催報告】2018/3/7 静岡工務店グループで施設見学セミナーを実施

施設名:北沢建築 木材加工場(長野県上伊那郡箕輪町)
話し手:Ms建築設計事務所 三澤文子氏|株式会社 北沢建築 北沢宗則氏
設 計:意匠設計:Ms建築設計事務所 構造設計:稲山正弘氏
施 工:株式会社 北沢建築

【開催報告】2018/3/7 静岡工務店グループで施設見学セミナーを実施

3月7日(水)・8日(木)木造施設協議会の正会員である北沢建築様(長野県下伊那郡箕輪町)にて木材加工場の施設見学とセミナーを開催いたしました。

木造施設の普及・活性化を静岡でも

今回の企画は、昨年12月に開催された静岡県のOMソーラー会員工務店の県会議において、今後の地域工務店の生き残り対策を模索する中で、地域の工務店として木造施設へ積極的に取組みをされている長野県の「北沢建築」様に学ぼう……という話から実現しました。

参加者は総勢15名を数え、静岡県においてもこれから先の将来、住宅市場への不安から木造施設に対する期待感や意気込みの高まりが伺えました。

北沢建築さま 木材加工場。一般の材木をつなぎあわせてトラス構造を生み出し、大空間を実現しています。

北沢建築さま 木材加工場。一般の材木をつなぎあわせてトラス構造を生み出し、大空間を実現しています。

まず「欅ガルテン」と呼ばれる北沢建築様の事務所・モデルハウス・木材加工場・茶室、そしてMs建築設計事務所様の胡桃山荘を見学していきました。木材加工場は、集成材や特殊な金物を使用せず、あくまで地元で流通している一般材を木組みにて造られており、地元で大工職人が建てる住宅の延長上にあるものとなっています。
設計はMs建築設計事務所・主宰の三澤文子氏、構造設計は東京大学准教授の稲山正弘氏によるものであり、2013年日本建築士会連合会・優秀賞を受賞をされており、まさに地域工務店の心意気を感じる木造の建物です。

茶室の見学

茶室の見学

木材加工場を案内してくださる北沢建築 代表取締役の北澤宗則氏。

木材加工場を案内してくださる北沢建築 代表取締役の北澤宗則氏。

一連の建物群の見学後、会場を事務所2階に移して、セミナーが行われました。

今回は三澤文子氏、静岡県にて保育施設を設計されているこころ木造建築研究所・主宰の山崎健治氏、会場を提供いただいた北沢建築・代表取締役の北澤宗則氏からご報告いただきました。三澤文子氏からは地域の木材を使って木造の施設を建てていく意義を、ウッドマイルズ(環境評価手法)なども交えてお話いただきました。山崎健治氏からは昨年開園した静岡県藤枝市の青葉ひよこ保育園の設計のきっかけから木材調達、行政とのやり取り、施工に至るまでの様々なお話をいただきました。

北澤宗則氏からは木材加工場の施工や実行予算などの詳細のお話だけでなく、地域において実際に木造の小中規模施設(薬局・事務所・店舗など)を受注している仕組みをお話いただきました。

三澤文子氏

三澤文子氏

参加メンバーへのレクチャーの様子

参加メンバーへのレクチャーの様子

その後は木造施設協議会事務局より、代表理事である相羽建設・代表取締役の相羽健太郎、事務局長であるOMソーラー・施設建築部長の柿崎秀雄より、木造施設協議会を立ち上げた経緯や地域工務店の生き残り対策などについて報告させていただきました。セミナー終了後は、地元の旅館に場所を移して熱い議論が夜遅くまで続きました。

翌日は建築家の藤森照信氏の建物群を視察

翌日は箕輪町から車で約30分程の茅野市へ移動し、建築家・藤森照信氏の茅野市の建物群(高過ぎ庵・低過ぎ庵・空飛ぶ泥舟)を特別に内部まで見学させていただきました。

茅野は藤森照信氏の故郷でもある

茅野は藤森照信氏の故郷でもある

静岡でも木造施設の普及を目指します

今回ご講演いただいた三澤文子氏は静岡県富士市の出身で、今年4月に静岡市に山崎健治氏とともに事務所を開設される予定です。またご実家が教育出版の世界文化社で静岡県全域の保育施設との接点も多く、今後静岡県内において多くの木造保育施設が期待されることから、静岡県内の工務店との協力体制を構築していくために、木造施設協議会もサポートしていく予定です。

木造施設協議会について