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自分らしく、居心地のよい子供の時間と空間(3)
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自分らしく、居心地のよい子供の時間と空間(3)

保育環境オンラインセミナー設計編より

自分らしく、居心地のよい子供の時間と空間(3)

施設名:きらり岡本保育園(東京都世田谷区)
話し手:袴田喜夫建築設計室代表 袴田喜夫

自分らしく、居心地のよい子供の時間と空間(3)

2020年9月17日に開催いたしました「自分らしくいつまでも居たくなる空間」をテーマに保育環境オンラインセミナー設計編の収録です。
第3回はアトリエと、子供が好きに選んで食べられる(半)屋外テラス、スペシャルな露天風呂や休憩室についてお話いただいています。園長とつくりあげる保育と建築の融合を表す特徴的な部分です。
岡本の保育園園長のインタビューも併せてご覧ください。
http://mokuzoushisetsu.or.jp/opinion/opinion-3463/

吹き抜けのアトリエ

真ん中にアトリエという部屋があります。アトリエというのは坂本園長と最初につくった「きらり相模大野」の時から設けている部屋です。子供たちがそのまま片付けないで散らかすことができる部屋、というコンセプトでつくっています。この辺は背の高いアトリエと称していますけれども吹き抜けのアトリエになっています。
実はこのアトリエが5歳児の部屋につながっていて吹き抜けを介して見上げられます。2層分の天井高がありますので、滑車をつけて高さを調整できる天井から降りてくるバーをつくって、すごく背の高い飾り物を吊ることもできます。たくさんある棚は素材や、子供たちが作ったものを飾るためのものです。

大きな制作物も吊ることができるアトリエ

大きな制作物も吊ることができるアトリエ

明るいアトリエ

2階にはもうひとつのアトリエ、「明るいアトリエ」があります。
最初に「きらり相模大野」の保育園をやったときに明るいアトリエと暗いアトリエという提案をして、坂本園長と意気投合し、今回もつくりました。水遊びでも何でも出来るような明るい良いアトリエにしました。お風呂のように水をためる事はできませんけれども、奥は防水の仕様で多少の水をかけても全然問題なく、水をひたしたスポンジで洗って掃除ができるくらいの仕様になっています。

水遊びできるアトリエ

水遊びできるアトリエ

子供と一緒に入る露天風呂

実はこの保育園には5歳児用のスペシャルなところ、テラスに露天風呂があります。露天風呂は坂本園長がずいぶん前から僕の夢だとおっしゃっていて今回実現したものです。プールとは違ってセッティングしなくても子供と一緒に入れる、温泉の露天風呂のようなつくりにしています。園長先生だけでなく先生方も頻繁に入られるそうで、楽しいと思いますよ。

自分らしくいられる最高の大人のスペース

先ほど坂本園長の動画にもお話がありましたが、大人のためのスペースをきちんとつくろうというのがこの保育園のもうひとつのテーマになっています。
園長室と保育士の作業室、その両方が庭に面して南西に大きな窓があって保育園の中でも1番良い場所です。保育士の休憩室は昔の保育園ですと、北側のすごく暗いところにあって畳敷きの6畳のようなものが多かったんですけれども、この園ではとにかく1番良い場所をつくりました。坂本園長は畳の上に座るというのが1番くつろげるんじゃないかという考えを持っていて畳敷きで足を下ろして座ることができるスペースになっています。

一番良い場所にある職員用休憩室

一番良い場所にある職員用休憩室

食べたり遊んだりする外部スペース

また、外部のスペースを様々につくっています。廊下の1部には縁台を、二畳台目の茶室を模したようなプランです。ここでご飯を食べたりすることもできる。たまにはお茶をたてるようなこともあると聞いています。
ホールの舞台と同じ高さになっている外部スペースがあり、テントを上に出すと多少の雨をしのぐことができる場所です。
ホールの園庭側には大きなサッシをつくって南側の隣地側には大きな窓開けても仕方がないので子供たちの目の高さに合わせた長い窓で小さな開口にしています。

食事もできる屋外スペース

食事もできる屋外スペース

見えたり隠れたり、園庭の土管

これが園庭で竣工間近の写真です。保育園で土管を入れるというのはよくあると思うんですが僕は実は初めてやったので難しかったです。まっすぐなものや90度に曲がっている土管は結構あるんですが、90度に曲がると向こう側が見えないので怖いなぁと言うことで今回45度に曲げてみました。右下の写真は中に入ったときに向こう側から少し光が見えるような感じがわかるかと思いますが割とうまくいったかなと思います。以上です。

見え隠れする45度に埋め込まれた土管

見え隠れする45度に埋め込まれた土管

文責:木造施設協議会

木造施設協議会について